子供時代のニコラス×ジョニィ。18禁。ウルジャン2008年2月号のネタバレ(?)含みます。また、ジョニィが頭弱くてニコラスが嫌な奴になってるのでご注意ください。

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↓ネタバレ(?)なので一応コミックス収録まで改行を…。












果たして入れる必要あるんだろうか……。











まあいいや(;´д`)











あ!しまった!クローバーを入れてるやつ、テープついてたから写真立てか何かかと思ったけど、よく見たら全然違ってました。柔らかい何かだー…うひゃあ。

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 今日は僕の誕生日で、クラスの女の子が四葉のクローバーをくれた。すごく嬉しくて、ぜったい大事にしてねって言われて勿論だと返事をした。クラスで人気のある女の子が僕にキラキラした笑顔を向けてきて、それが余計に嬉しくて僕はクローバーを大事に教科書に挟んだ。
「兄さん! 見て、見て。誕生日プレゼントだって、女の子にもらったんだ」
 走りながら家に帰って大好きな兄さんの部屋に飛び込む。兄さんはテストだとかで、ここ数日早く帰ってきていた。すぐに兄さんは椅子を立って、僕の方にやってくると、苦笑いしながら僕の頭を何度か軽く叩く。
「こら。部屋に入る前にはノックしなさいって、いつも言ってるだろう」
「だって、すぐに兄さんに見せたかったんだ。…僕、迷惑だった? 兄さんの邪魔をしちゃったかなあ?」
 不安になって口元を結ぶ。そのまま視線を落としてしまうと、兄さんが僕の頭に手を乗せたままで笑った。
「そんな訳ないだろ。早く可愛い弟が来ないかなって待ってたよ」
「ほんとかなあ……」
 嬉しくてつい笑ってしまい、俯いた視線を上げると兄さんと目が合った。兄さんはいつもこうだ。僕に視線を合わせてくれる。いつも怒鳴ってばかりいる父さんなんかとは大違いだ。
 優しくて大好きな兄さんに、少しでも早くクローバーを見せたくて僕は鞄の中を探った。
「あのね、クローバーもらったんだ。可愛い女の子で、クラスでも人気があるんだよ。ほら、これ。見てよ」
 落とさないよう慎重に開くと兄さんは教科書に視線を落とす。そして小さく鼻で笑った。
「良かったね。いかにも子供の女の子って感じの可愛いプレゼントじゃないか」
「うん、女の子って可愛いよね! ドキドキしたよ」
「見せてくれてどうも。実は、オレからもプレゼントがあるんだ」
 兄さんは笑いながら僕に背を向けた。その言葉を聞いてついつい声が弾んでしまう。教科書を鞄にしまいつつ僕は言った。
「本当!? くれるかなって思ってたけど、やっぱ嬉しい」
 毎年、兄さんは僕に何かをくれていた。例えばお菓子とか、例えば置き物とか、例えばカップとか。時にはとても読む気のしない分厚い本だったりもしたけど、兄さんからもらうとそれすらも嬉しくて、僕は何度も何度もその本を読んだ。
 兄さんは、はは、と小さく笑ってまた僕の方に向いた。その手には包装された大きめの何かがある。
「ほら。今年のプレゼントだよ」
 差し出されたそれを勢いよく奪い取って、我慢できずにそのままビリビリ開けた。
「何だろう? 何かな? 何が入ってるんだろう? ……わあ!」
 最初、服に見えた。でもそれにしては小さいなと思って取り出したら帽子だ。真っ白くて、すごく大きな星形の模様がある。
「すげー、帽子だ! 嬉しい!」
 僕は星が大好きだ。だから、大きな星が入っているのも、それを大好きな兄さんが覚えててくれたのも、とっても嬉しい。
 思わずその場でぐるぐる回ってしまうと兄さんが僕を胸元に抱き寄せた。そのまま体を預ける。
「気に入ったか?」
「うん、すごく! 兄さんありがとう!」
 お礼を言うと兄さんは僕をもっと強く抱いた。背中から体温が伝わってくる。僕は早速帽子をかぶってみることにした。ぴったりだ。
「どう、兄さん? 似合うかな?」
 尋ねると兄さんは笑って僕の頭を撫でてくれた。
「ああ、似合ってるよ。そういえば、さっきのクローバー、これからどうするつもりだ?」
 思い出したような兄さんの声に考えを巡らせる。
「うーん。部屋に置いたらどっかいっちゃいそうだし、放っといたらしなびちゃうから押し花にしようかな。それで、シオリにして、ずっと使うんだ」
「ずっと? シオリ? それは止めておけよ」
「え?」
 兄さんはちょっと早口でまくしたてた。普段、なだめるように話す兄さんなのでびっくりする。驚く僕を見て兄さんは説明してくれた。
「ああ、いや、ほら……シオリにしたら、無くしちゃうかもしれないだろ? いや、分かってるさ。ジョニィは無くしたりなんかしないって。でももっといい保管方法があるよ」
「いい方法ってなに?」
「ガラスの写真立てをやるよ。そこに挟んで、落ちないように封をして、引き出しに入れておけばいい」
「ええっ、しまっちゃうの!? せっかくもらったんだから飾るよ」
「よく考えろよ。もし、父さんがクローバーを見たらどう思う? きっと、下らないものって言って捨てちまうよ」
「父さんはそんなことするかなあ……」
 確かに父さんは厳しい。でも、飾ったクローバーを勝手に捨ててしまうような、そんなむちゃくちゃな怒り方をする人じゃないと思う。
 でも兄さんは僕の疑問にあっさり答えた。
「そう思うならいいさ。でも、俺の言ったことが間違ってたことが、今まで何回あった? 捨てられちゃったら悲しむのはその子なんだぞ?」
 それもそうだ。兄さんが言うことはいつでも正しかった。兄さんは、いつだって僕のことを考えて、こうやっていい方法を教えてくれる。僕は自分が恥ずかしくなった。
「そうだね……」
 うなだれると、兄さんがまた僕の頭を撫でる。
「落ち込まなくていいさ。じゃあ、早速ケースに挟もう」
「うん」
 元気よく返事をした。

 綺麗に写真立てに入れて、引き出しにしまうところまで全てやってくれてから、兄さんはまた自分の部屋に僕を呼んだ。手を引かれて部屋に入る。いつものことながら、兄さんの部屋は本やトロフィーがいっぱいあるのに綺麗に整理されていて、すっきりだ。
「兄さん、テストがあるのに、ありがとう」
「可愛い弟のためならこれぐらいお安い御用さ」
「ところで、どうしてまた僕を呼んだの?」
 笑って答える兄さんに促されてベッドに腰掛けつつ、僕は聞いた。兄さんもその隣に座る。僕の反対側を向いて視線をその辺に巡らせる兄さんは、どうやら何事か考えているようだ。
「兄さん?」
 促すとすぐに返事がきた。
「ああ、いや。これくれたの、可愛い女の子なんだってな? ジョニィ、お前はその子のこと、好きなのか?」
「えっ!」
 急にそんなことを聞かれて、顔がカーッと熱くなってしまう。まさかそんなことを聞かれるとは思わなかった。
「す、好きってほどじゃないよ。可愛い子だとは思うけど」
「へー。じゃ、もし告白されたらどうだ?」
 告白?あの子が僕に?……その様子をちょっと想像してみた。クラスの人気者で、可愛くて、明るいあの子が僕を好きだったら。そしたら、そしたら………………照れる。
「たぶん、オッケーする、かなあ」
 にやけながら答えると、兄さんがやれやれって言うみたいに笑った。
「やっぱりな。で、オッケーしてから、キスとかちゃんとできるのか?」
「ええっ!?」
 続いた言葉に驚いて、さっきと同じような反応をしてしまう。座っているベッドが軽く軋む。僕は真っ赤になって怒鳴った。
「ななな、な、なに、変なこと聞くなよ!」
 びっくりして兄さんの胸もとを叩いたけども、僕の体はあっさり抱え込まれ抵抗を封じられた。兄さんが苦笑いする。
 あ。この顔、知ってる。僕が悪いことをしたときに注意する顔だ。何を言われるのかちょっと身構える。兄さんは眉を下げて口元だけで笑った。
「変なことじゃないだろ。大事な弟が、いざってときに失敗して相手に笑われたんじゃ可哀想だから心配してやってるんだ」
「…そーゆーことで笑う子とは付き合わないよ」
「そんなうまくいくかあ?」
 言うが早いか。途端に兄さんの顔が目の前に来て、どんどん近づいて、どんどんどんどん近づいて、驚いて目を閉じたら口に一瞬、兄さんの唇が触れた。硬いのか柔らかいのかよく分からない感覚が残る。
「ほら、どうだよ」
 兄さんはすぐに離れて顔をのぞき込んできた。僕は何も答えられない。
 あれっ、今のってなんだ?兄さんは僕に何をした?えーと……。
 ………………。
 ………。
 多分、10秒ぐらい動きが止まったと思う。考えも止まった。そして急に、今のが何だったかに気づいた。
「な、なに!? 兄さん!」
 それと同時に目の前の体を思い切り突き飛ばす。全く手加減もしなかったけど、兄さんは倒れたりはしなかった。
「気色悪いよ。急に何するのさ!」
「な? キスされたぐらいでこんなに動揺しただろ、こんなんで本当にできるか?」
「それは…」
 兄さんがキスキスと言うので恥ずかしくて言葉に詰まってしまう。
「いざって時に、ジョニィ、お前が恥を掻かないように、俺がやり方教えてやろうか」
「はあ? 正気?」
 僕の腰をポンポンとなだめるように叩きながら言う。あまりの内容に素っ頓狂な声を上げると、兄さんは軽くゲンコツしてきた。
「正気さ。心配なんだよ。大事な弟がこんなことで馬鹿にされることがあったらどうしようか、ってな」
「でも兄弟でキ……キ…キスなんておかしいって! それに男同士でやるのは、変な人だけだよ」
「違うだろ、教えるだけさ。そんなのはキスじゃなくて、ただの指導だ」
「そうなの? でも……」
 やっぱりおかしいと思う。けど、兄さんの言うことが間違ってることなんてめったにないし、兄さんが僕に悪意を持って何か言ってくるはずもない。それでも、指導とはいえ、そんなの変だ。
 それ以上何も言えずに困ってしまう。意味なく辺りを見回し、様子をチラチラ窺う僕に、兄さんは悲しそうな顔を向けてきた。
「ジョニィ。オレの言うことを信じてくれないのか…?」
「そんな……信じてるよ!」
 兄さんは、普段はいつだって余裕の人だ。一緒に歩いてても何歩も先にいて、危ない場所を教えてくれるような。そんな兄さんが寂しそうに目を伏せるので、僕はびっくりして、疑わしさなんてすっかり消えてしまった。
「兄さんのことはいつでも信じてる。ほんとだって」
 肩を両手で掴んで必死で言う。兄さんは、しばらく無表情に僕を見下ろしていたけど、またすぐいつもみたいに笑ってくれた。僕よりずっと大きな手が頭に伸ばされる。
「信じてくれて嬉しいよ」
「うん。兄さんが変なことするはずないのに、疑ってごめんなさい」
「分かればいいんだ」
 頭上の手が肩に掛けられる。そして、兄さんが目を閉じてまた顔を近づけてきた。つられて目を閉じる。軽く触れて、離れて。一呼吸置いてまた唇が合わさって。今度は間を置かずにもう一度。
「ぷはっ」
 息をするタイミングが掴めず、兄さんが離れると同時に限界になって息継ぎした。兄さんが笑う。
「鼻で息すればいいんだよ」
「そっか、そうなんだ」
 そう答えながら僕はドキドキしていた。さっき兄さんにああ言われたばっかりだけど、どうしても、何だかいけないことをしてるような気がする。
 今日は父さんが仕事で母さんはその付き添いだから、夜までこの家は僕と兄さんしかいない。両親がいなくて良かったって、何となく思った。
「ジョニィ。どんな感じだ? キスは」
「うーんと、えーと…………変な感じ。これが気持ちいいの?」
「慣れれば良くなるさ」
 兄さんは慣れてるってことだろうか。きっと、そうなんだろう。兄さんは、格好良くて何でもできて、乗馬が得意で頭もいいので、かなりモテモテみたいだから。
「ジョニィ、今度はお前からやるんだ」
「僕が?」
「されるのに慣れたって、練習にはならないだろう? うまく相手をリードできるようになれよ」
「うん……」
 言うなり兄さんが僕の腰を抱いて、体をくっつけるようにした。お互いの顔も近くなって、恥ずかしいけど僕からするまで離してくれなさそうだ。このままの体勢ではちょっとキスしづらかったから、膝を立てて兄さんの腕を掴んだ。
 恐る恐る口を近づけてみると、鼻と鼻が当たった。
「痛い!」
「おいおい、大丈夫か?」
「大丈夫……」
 思わず痛いと言ってしまったけど、別に本当に痛いわけじゃない。でも、まさかぶつかると思ってなかったので、いきなりの衝撃にちょっと泣きそうになってしまった。
「…………」
 口を歪めて鼻を手でさするところを兄さんがじっと見ている。きっと今、こんなちょっとしたことで泣くなんてと思ってるんだろう。恥ずかしくて余計泣きたくなる。涙が零れそうな気配はないけど、一瞬、すんと鼻をすすってしまった。
 その途端、急に浮遊感があり視界がグルンと回転した。
「わっ!?」
 背中に柔らかいものが当たって、反動で体が一瞬浮く。何事かと思って慌てた。しかし混乱はすぐに消える。目の前に兄さんの顔と天井が見えたからだ。押し倒されたらしかった。兄さんは、僕の両手を自分の手で固定している。
「なに? 兄さん、どうしたの?」
「…………」
「兄さん?」
 無言が怖くて身をよじる。兄さんは、しばらくしていつも通りの優しい表情になって、いつも通りの声で話し出した。
「なあ、キス以上のことも、教えてやろうか」
「キス以上? って何? なんで僕、今倒されたの? なんか怖い。教えなくていいよ」
 頭が混乱したままで思ったことをどんどん言うと、兄さんの手に力が入った。
「痛っ」
 今度は本当に痛い。小さい叫びを聞いて、兄さんはすぐに手を離してくれた。
「あ、ああ。ごめんな。でも、知っておくべきだぞ。これはキスよりずっと大事なことだから。キスのついでに、教えてやるよ」
「ほんと……?」
「本当だ」
「……ん…、…じゃ、………教えて……」
 迷いながらも答えた。それが一体どんなことなのかは知らないけど、兄さんが僕に変なことをするはずない。だから、キスより大事って言うなら、きっとずっと大事なことなんだ。
 返事を聞いて兄さんは体を起こした。体が離れて、ちょっとホッとする。
「それじゃ、いきなりやれって言っても分からないだろうから、直接やり方教えてやるよ。女の子とする時には、自分がこれからされるのと同じことを、するんだぞ」
「う、うん。覚えられる? 僕に、できるかな……?」
 よく分からないけど、全く知らない何かをされるみたいだ。僕は兄さんと違って物覚えが悪いから、実際にやってもらっても、覚えられないかもしれない。
 自信のなさが滲んだ声を聞いて兄さんが僕の頬を撫でる。
「ジョニィならできるさ。覚えられなかったら、何回でもやってやるから…」
「ありがと、兄さん」
 やっぱり兄さんはとっても優しい。世界イチ格好良くて、優しくて、何でもできる、最高の兄さんだ。
「じゃ、始めるからな」
 言うと同時に、さっき被った帽子が外され枕元に置かれた。せっかくもらった帽子なのに、何で外すんだろう。
「どうして外すの?」
「これから裸になるからだよ」
 聞いてみると全く予想もしなかった答えが来た。まさかそんなことだとは思っていなかったので叫んでしまう。
「裸って裸!? 恥ずかしいよ」
 そんな僕をなだめるように、兄さんは優しい声で言った。
「だろ? 最初は恥ずかしいんだよ。だから、今、練習するんだ」
「そうなんだ……」
「それで、今回、ジョニィが恥ずかしかったりしたことを覚えておいて、女の子にしてあげる時に生かすんだぞ」
「…うん、分かった」
 そこまで考えてあるなんて、兄さんはほんとに凄い。
 そして、話しながらも兄さんは少しずつ僕の服を脱がしていた。気がつけば服がまくりあげられている。じいっと、兄さんが僕の胸を見ている。……すごく恥ずかしい。恥ずかしかったって、覚えておかないとな。
 目を逸らしてそんなことを考えていると、ふと兄さんが僕の胸に触ってきた。
「うわあ!」
 最初は撫でるだけだった。でも、途中で押し倒すような姿勢になってきて、兄さんが僕の胸をつまむ。ぐりぐりと指の腹で押しつぶされ、体がはねた。
「ひゃ、ひゃ、うわ、なに……これ、何してるの? 兄さん」
「これは、大事なことをする前にやることだ。気持ちいいか?」
 どうやら胸を触るのは気持ちいいことらしい。でも、僕は何だか体がムズムズして、くすぐったくて恥ずかしくて、これは気持ちいいのかよく分からなかった。
「分からない……」
 正直に答えると、兄さんは、そうか、と言ってまた胸をつまんだ。
「ひう……っ」
 そうやってグリグリされると、つい体が動いてしまう。でも押さえつけられているせいで動けない。兄さんはしばらくそのまま胸の先っちょをこねていたけども、少しして、もう一つの胸を舌で舐め上げた。
「わああああ! ……な、なに? 何するの?」
 尋ねたが返事はない。そうして何度か胸を舐められた。びくんびくんと体が勝手にはねる。
「や、や……やだ、なにこれ」
 何が何だか分からない。すごくくすぐったくて、恥ずかしくて、頭がどうにかなりそうだった。それでも兄さんは僕に何も答えてくれない。
 それどころか今度は胸を口に含んで、舌先でつつくようにされた。その間も、もう一方の胸は指でいじられるままだ。
「うっ、うう…」
 声が出てしまうので必死で堪える。兄さんは、口を離して体を起き上がらせた。終わったのかと思うと、今度はさっき指でいじっていた方の胸を舐めたり舌でこねたりし始めた。
 どうなっているのか、思わず閉じていた目をちらっと開くと、兄さんの綺麗な舌が僕の胸を這っている。何だかよく分からないけど、とてもいけないことをしている気がした。
「ん……っ」
 何度も舐められ、指でいじられる。兄さんが体を起こしてそれをやめる頃には、僕の胸は兄さんの唾液でベトベトだった。
「っ、ひゃ!」
 兄さんがそれを見て、また指で胸をいじる。
「どうだ? 気持ち良くなってきたか?」
 そう尋ねる兄さんの声は、レースが終わった直後みたいにとても息が上がっていて、一位を取ったときみたいに興奮してるようだった。
「分からない……分からないよ。むずむずする」
「そっか。じゃあ、これから本番に入るから、しっかり、何されてるか見ておくんだぞ」
 一体何をされるのか、ちょっと怖くなる。更にその後の言葉を聞いて、もっと怖じ気づいた。
「今度は痛いから我慢しろよ」
「えっ、嫌だよ…」
「大丈夫だから」
 そう言うと兄さんは、嫌がる僕の体を反対向きにしてズボンと下着を脱がせた。やめてくれる気はなさそうだ。
「痛いって……どれぐらい? 痛いんだったらやりたくないよ」
「でもこれは大事なことなんだ。今の内に、知っておかなきゃいけない。オレの言うこと、信じられるだろ?」
 そう言われたら、もう疑うことはできない。これから何があるのか、痛いってどのぐらいなのか、僕は怖い気持ちいっぱいのままベッドにうつぶせて、じっと待っていた。
 兄さんは一旦下りて、ベッドの下をごそごそ探っている。そして何かを見つけたのか、またベッドに乗り上がる。ベッドが軋む。それからさほど間をおかず、急にあらぬところが一気に冷たくなった。
「ひゃあ! ――な…、な、なに? 冷たい!」
 慌てて体を起こすと足の間がどろどろしている。今まで一回も味わったことがない、すごく気味が悪くて、ねばついて不快で、全く意味の分からない行為に一気に怖くなった。
 怯える僕に構わず、兄さんは無表情で自分の指に何か液体を垂らす。どうやらそれと同じものを僕に垂らしたらしかった。透明で、見るからにぐちょぐちょしてそうだ。
「なに――――、兄さん、……どうするの」
 怖かった。一体これから何があるのか、全く予想できない。
「今、液を垂らしたところに、オレのこれを入れるんだよ」
「わ、わ、何それ…」
 兄さんが、喋りながらズボンを下ろした。当たり前だけど、そこには僕にもついてるモノがあった。でも、形がなんかおかしい。いや、僕と形が違うのは、一緒にお風呂に入ったときとかに見たし、知ってた。大人ってすげえなあ、僕も早くああなりたいなって思ってた。
 その時と違うのは、それがぶら下がってなくて、勝手に持ち上がってることだった。そんな風になってるのは初めて見た。怖くなりながら口を開く。
「それ……どうしたの?」
「ジョニィももうちょっと大きくなったら分かるさ。男は、キスより大事なことをするとき、ここが固くなるんだよ」
「固くなってるの?」
「触ってみるか?」
「………………いい」
 兄さんのことは大好きだけど。勿論、今もとっても好きだけど。でも、兄さんの今のそれは、何だか兄さんじゃないみたいだった。いつもよりずっと大きいし、形もやっぱり何だか違うし、何より勝手に持ち上がってる。とてもこんなのが兄さんだとは思えなくて、僕はずるずるとベッドの端っこに逃げた。けれどあっさり追い詰められてしまう。
「兄さん。痛いって、それ入れるって、まさか…」
 僕が怖くて半泣きになりながら言うと、兄さんはにっこり笑った。
「そうだよ。ジョニィは、やっぱり頭がいいな」
 褒められても全く嬉しくない。目の前が真っ暗になるみたいで、今すぐ意識を失えるなら何日か気絶したいぐらい、怖かった。
「そんなわけないじゃん! こんなこと、ラブラブ同士でもしないよ!」
「それが、するんだよ。誰だってみんな、平然とやってることだ。……ジョニィ。最初だから怖いだけだ。お前はいざとなったら強い子だろ? オレにはちゃんと分かってる」
「あのさ、僕、やっぱり、教えてもらわなくていいよ」
 逃げ出したい。でも、もうベッドの端に来ちゃったせいで逃げられない。兄さんは、僕が逃げられないように壁に手をついている。そうしながらもズボンは下げたままだ。足にアレが当たる。
「気持ち悪いよ、兄さん! やっぱ男同士じゃこんなことしない」
「さっきも言っただろ。男同士とかじゃなくて、ただ、教えてるだけだって」
 手を壁からどかすと、兄さんはもう片方の手を僕の足の間に入れてきた。どろついた液のついた指先が、変なところに当たる。
「ひゃあっ!」
 嫌で嫌で嫌で嫌で、必死で兄さんを蹴る。
「わ、いてっ、おい、ちょ、落ち着け、落ち着けって、ジョニィ」
 蹴りがどこかに当たるたび焦ったような声が聞こえるが、手を引いてくれそうな気配はない。ついには、強引に指の先が、少し入ってしまった。
「や、止めろ、兄さん、止めてよ……」
 一気に体中を不快感が駆け上がる。痛みより驚きが大きかった。背中が一気に怖気だつようで、気持ち悪くて目に涙が浮かぶ。兄さんの、いつも僕を撫でてくれた指があんなところに入ってるなんて、とても信じられない。
「気持ち悪い。兄さん、気持ち悪いよ」
「女の子にこれをしてやる時は、自分が痛かった経験を思い出して優しくするんだぞ」
 涙声で一生懸命言ったのに、少しも止めようとしてくれない。素足に当たる兄さんの性器がすごく熱くなってて、その感触も果てしなく気持ち悪かった。
「うう、っう、あ……」
 強引に指を入れられ、中で動かされる。たっぷり液体が塗ってあったからか痛くはないけど、体の内側からかき回されてるみたいで、本当に気持ち悪い。そうこうしている内に指が二本に増やされた。
「うっ、ぐす、ふ、……うええ…」
 足の間からグチュグチュと水の音が聞こえてくる。それも怖くて、僕はついに泣いてしまった。手に力を込めるだけでは不快感をやり過ごせず、必死で兄さんの背中にしがみつく。それでも、強引に体を押し広げられる辛さは軽減できない。
 兄さんはもう片方の手で僕の頭を撫でた。
「なあ、そんな泣くなよ」
「い、――ぐす、……だって、…えっく。……兄さんの馬鹿やろ…うう」
「馬鹿ってことないだろ。可愛い弟に、兄として教えてやってるだけだって。……きついな、入るかな」
「えぐ、うああ、にい、兄さんの、ばか、ばかヤロウ、………うっ、うええ…」
 こんな時でも兄さんの声はすごく優しかった。まるで僕が一人でむちゃくちゃな駄々をこねてるんじゃないかと錯覚しそうになるほどに。けど、後半の言葉がそうじゃないことを知らせてくるので、僕はもう泣いてるのか喋ってるのか分からないぐらいぐちゃぐちゃに泣いた。
「ジョニィ。我慢してろよ」
「……うっく。…な、に」
 兄さんが言うと同時に、僕の体がふわっとベッドから浮いて、ベッドの中心に放り出された。さっきのようにうつ伏せの姿勢にさせられる。
 そして兄さんが僕の腿を掴んだ。瞬間、今までいじられていた場所に何か大きなものが当たり、ゆっくり、ゆっくりと、しかし確実に体に埋まってくる。
「えっ、やだ、……い、いいい、痛い! 痛い!いい痛っ! 痛いよ、兄さん!」
 泣くのも忘れて必死で叫んだ。その間にも、じわじわと兄さんは体を進めてくる。体を掴む手に強く力が入っていた。
「……っ、オレも痛いよ」
「う、うわあああああん! 痛い……! 兄さん、もう止めて…いっ、嫌だ、もうやだ!」
 必死でずり上がって逃げようとしても、押さえつけられてて無理だった。もうこれ以上絶対入らないと思うのに、ちょっとずつ入れられる。一体どこまで入ってしまうのか。もう絶対無理だと思うたびに考えが覆されて、あまりの痛みと初めての感覚への恐怖にヒイヒイ泣いた。
「ふええ、痛い嫌だ……ひっく、え、うう…」
 そしてそんな嫌なのがしばらく続いたあと、やっと全部入ったらしく兄さんの腰が体に当たった。
「もうしばらくの辛抱だからな……、我慢…しろよ」
 息を荒げながら兄さんが言う。全部入りきってしまえば案外痛みはそんなにない。でも、とにかく気持ち悪い。今すぐ死にそうなぐらい。
 ぼろぼろ涙を零して、僕は必死でシーツを握った。
「ひゃあああああ!」
 入ったものが、ぬっくりと抜かれていく。体に一気に寒気が走り、同時に物凄い痛みが走った。
「いっ痛い! それ嫌だ、やだ、それすごく、気持ち悪い…!」
 暴れたら余計痛いので抵抗してなかったが、こればっかりは耐えられない。あまりの衝撃に僕は疲れた体を思い切りばたつかせた。
 僕の暴れっぷりを見て兄さんは驚いたのか、抜くのを途中で止めた。すごい圧迫感がある。そして、機嫌を取るように後ろから僕の顎を優しく掴んだ。
「わ…分かった、分かった。抜くのはヤメだ。でももうしばらく我慢してくれ、な?」
「ううう――っ、嫌だやだ痛い、もう嫌だ……」
 しばらくって、どのぐらいだろう。これ、いつになったら終わるんだろう。少しも分からない。それが余計に怖い。
「っ、つあっ!」
 ぐぐ、と兄さんのものがまた押し入ってきた。もう声の大きさなど考えられずに僕は叫ぶ。
「兄さん! 兄さん、痛い……痛いよ!」
「今度は抜かずにするから」
 意味の分からないことを言うと、兄さんは腰を振り始めた。ただし、入れたものを抜かないままでだ。自分の体と一緒に僕の体もガツガツ揺する。
「ひゃっ、うわ、ひっ、あっ!」
 確かにそれだと、抜かれるときの気持ち悪さはほとんど無かった。けど、だから良かったとは少しも思えない。好きなように揺すられて視界もぶれまくって、手で体を支えることすらできなくてシーツがあっという間にめちゃくちゃになった。
「うああああっ、いた、痛いっ!」
 それに抜かずにとは言ってもやはり反動でたびたび抜けかけ、そのたびあの気持ち悪さを味わわされる。
「ジョニィ、…ジョニィ」
「痛い痛いっ! 痛いよ! 気持ち悪い!」
 兄さんはもう僕の言うことなんか聞いてくれずに、息をはぁはぁさせながら僕の名前を呼んでいた。手はずっと僕の腰を掴んだままで逃げられないようにされている。
 ぐちゅぐちゅ音を立てながら揺すぶられて、すごく痛くて、気持ち悪くて、体の奥までアレが入っている。まさか、今日、こんなことになるなんて思わなかった。
「もう嫌だ…兄さん、死んじゃう……」
 大げさじゃなくそう言った。もう、体中いっぱいに入ってる感覚があって、いつになったら終わるのかも分からない。もうこのまま痛みで殺されてしまうんじゃないかって、本気で思った。
「大丈夫だ。ジョニィ……」
 それでも兄さんは、大丈夫大丈夫って繰り返すばかりだ。
 だんだん、抜かないって言ってたのに少しずつ抜きながら動くようになっていて、でもその気持ち悪さにも慣れそうになっていた。
 そのまま長いこと動かされる。しばらく続けられたあと、兄さんが体の動きをぴたっと止めた。
「……ジョニィ、終わりだ」
 その言葉に、僕は泣きながら安心しかけた。のだけど、そう言った兄さんが体を少し震わせると同時に、体の中に勢いよく何かを掛けられ泣き叫ぶ。
「え、あ…………ん、な、なに!? …ああああああっ!」
 何かが体の奥で出ているのが、本当に気持ち悪くて僕は叫んだ。兄さんは僕の体を強く抱きしめ、自分の腰を押しつけてくる。何が出てるのか分からないけど、熱かった。
「う、……あ…はあ………」
 兄さんのものが体内で縮むのを感じた。よく分からないけど、今度こそ、本当に終わったらしい。
「…………ううっ」
 普段通りになったものをズルッと引き出され、体の支えを失うと、もう声を出す気力すらなく僕はベッドに倒れ込んだ。
 体の節々が痛い。とにかく痛い。このまま数日眠れそうなほど疲れた。今すぐ吐けそうなぐらい気持ち悪い。指一本すら動かせない。
 そうして完全にぐったりする僕の耳には、お互いの荒い息づかいだけが聞こえていた。
 もう、何だか今日は、疲れすぎた。何も考えずにこのまま寝ちゃおう。そう思って目を閉じる。すると、膝の下と背中に腕を回された。
「風呂、入れてやるよ」
「…………」
 もう声を出せず、抵抗もできず、軽々と兄さんに抱えられてしまう。これ、たぶん、お姫様抱っこだ。僕もいつか好きな子ができたらやりたいやつ。
「父さんと母さんが帰ってくる前に、上がらなきゃあな…」
「…………」
「ジョニィ。今日、痛かったか?」
 痛かったよ。
 目すら少しも開けられないので心の中でだけ答える。兄さんはその無言をどう解釈したのか、またとても優しい声になった。
「痛かったろ。ごめんな。でも、これでジョニィは、される側がどれぐらい痛いか分かったんだ。いつか大事な子ができたら、他の誰よりその子に優しくできるさ」
 兄さんは僕を抱っこしたまま、一歩一歩ゆっくりと、歩く振動すら最小限にするように、とてもゆっくりと部屋から出て廊下を歩き出した。
 今日はとても痛かった。痛かったし、怖かった。それに疲れた。それはもう、どうしようもないぐらいに。
 でも、兄さんは、僕に大事なことを教えてくれたらしい。ここまで体を張ってくれる兄さんは本当にすごい。優しくて、格好良くて何でもできる、世界イチの兄さんだ。
 僕は前々から兄さんのことが大好きだったけど、今日、もっと好きになった。
「……疲れたか? 寝ていいぞ。洗ってやるから、いつもみたいに」
 静かな声が聞こえる。
 もうすっかり疲れて力の入らない体。僕は、その体を兄さんに預け、考えるのをやめた。もう半分以上眠ってるみたいだ。この後、兄さんとお風呂なのに覚えていられないのは残念だけど、また今度一緒に入って洗ってもらおう。
 そう考えたら顔にほんのちょっとだけ笑顔が浮かんだ気がした。そして、もう疲れが限界で完全に寝てしまう直前、兄さんの優しい声が耳に届いた。
「ああ、そうだ。大事なこと言い忘れてた。誕生日おめでとう、ジョニィ」
 その後にされたキスが現実なのか夢なのか、それは僕には分からないけれど、僕はただひたすらに、兄さんを好きだと思った。



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